仮想通貨(暗号資産)とは、どのようなものなのでしょうか?
メディアやSNSで「投資」についての記事が増えると同時に、仮想通貨市場が盛り上がりをみせ、仮想通貨(暗号資産)に注目している人が増えています。ビットコインやイーサリアムなどの言葉を、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
この記事では、仮想通貨(暗号資産)について初心者でも理解できるように、背景や仕組みを交えてわかりやすく解説していきます。
仮想通貨(暗号資産)とは?仕組みを説明
仮想通貨とは、インターネット上でやり取りができる暗号技術が使用された世界共通の電子データ資産です。不特定の者や企業間で、物やサービスの支払いに使用できます。専門の取引所では、円やドル、ユーロ、ウォンなどの法定通貨と相互に交換することもできます。
代表的なものには、「ビットコイン」や「イーサリアム」などがあります。
現物がない資産のため、通貨のような国の保証はありません。法定通貨ではなく、支払手段の一つとして定義されています。
そのため、ブロックチェーンという仕組みで不正取引を防止しています。取引記録は、公開鍵暗号やハッシュ関数などの高度な暗号技術が使われているため、改ざん不可能で安全な仕組みとなっています。
暗号資産との違いは?
暗号資産とは、仮想通貨のグローバルな呼び方です。
政府の見解により、2014年に仮想通貨は「通貨」ではないとされ、「価値記録」と呼称されました。それから2018年12月に金融庁により「暗号資産」という呼称に改められ、2020年5月1日に施行されました。
電子マネーとの違いは?
仮想通貨が広まる中で、電子マネーとの違いが分からずに混同している人がいるようですが、電子マネーと仮想通貨は全く別のものです。
仮想通貨は、実体のない電子データ資産で法定通貨ではありませんが、電子マネーは現金をデジタル化した法定通貨です。そのため、対応する法律が異なります。仮想通貨には「仮想通貨法」が適用されるのに対し、電子マネーには決済サービス利用者を保護するための「資金決済法」が適用されます。
どちらも決済手段として利用できますが、利用できる店舗数に大きな違いがあります。仮想通貨に比べて、電子マネーは国内で利用できる店舗数がかなり多いです。仮想通貨は世界共通の資産ではありますが、利用できる店舗がまだまだ少なく、支払手段としての利用は難しいのが現状です。今後、体制が整っていくことを期待したいですね。
どちらもスマホなどを使って取引をするため、同じようなものだと誤認しやすいですが、仕組みを紐解き、違いを理解して使いましょう。
仮想通貨の魅力
昨今、投資をする若者が増加傾向にありますが、そのなかでも仮想通貨に惹かれる理由とはなんでしょうか。仮想通貨の魅力について、見ていきたいと思います。
仮想通貨の最大の魅力は、価格変動の高さです。仮想通貨は価格の変動が激しいため、安い時に買ったものが数カ月後には倍近くに価格上昇している可能性があります。他の金融商品と比較すると、上下の差が激しい分、多くの利益を得られることがあると考えられています。
仮想通貨の定番である「ビットコイン」は、2020年4月に75万円だったものが、2021年4月には689万まで価格が上昇しました。つまり、もし100万円の投資をしていたら、1年後には900万円になっていたということです。夢がありますよね。
株式投資やFXよりもリターンが大きい可能性が高いのが、仮想通貨の大きな魅力です。
また、時間帯を気にせず、自分のライフスタイルに合わせて取引できるのも魅力のひとつです。株式投資は取引できる時間が決まっているのに対し、仮想通貨は365日24時間いつでも取引できるため、サラリーマンなど日中に仕事をしている人でも、時間を気にせず気軽に取引ができます。
仮想通貨は世界共通の資産なので、海外への送金や決済が簡単にできる点も魅力的です。
海外の方が、仮想通貨を決済手段として利用できる店舗が増えているため、海外での買い物や海外通販での支払いに利用ができます。世界中で使える資産と考えると、非常に便利ですよね。
仮想通貨が人気になった背景
仮想通貨は、誕生してから現在まで、金融危機やハッキング事件などの影響を受け、価格が大きく変動しています。しかし、徐々に価格が高騰し、今では人気に火が付いた状態です。
ここまで仮想通貨の利用者が急増したのには、理由があります。
1つ目に、法定通貨のリスクヘッジとして持つ人が増えたことです。2020年、世界はコロナウイルスに震撼され、人々を救うために世界の中央銀行で大規模金融緩和を実施しました。その結果、法定通貨(ドル・ユーロなど)の価値が下がってしまいました。法定通貨の価値が下がりインフレになると、株式やゴールドの価値が上がる傾向にあるといわれています。著名投資家であるドラッケン・ミラー氏やマイク・ノボグラッツ氏などが、インフレのリスクヘッジでビットコインを購入し、投資家から仮想通貨が注目された結果、多くの人に買われる状況となりました。それまではギャンブル的に思われていましたが、資産運用・資産防衛の手段として選択されるようになりました。
2つ目に、テレビCMなどのメディアにより広く知れ渡ったことが挙げられます。ビットコインが法律で定義されたことをうけ、ビッグカメラでビットコイン決済が行われたり、仮想通貨交換業者がCMを放送するようになり、世間に知られるようになりました。
3つ目に、大手保険会社やテスラCEO(イーロン・マスク氏)が多額のビットコインを買ったことで注目を集めたことが挙げられます。特に、イーロン・マスク氏のビットコインの売買は仮想通貨業界に非常に大きな影響をもたらしています。彼の売買により、何千億ドルが動くといわれています。このように、著名人による仮想通貨の売買が、良くも悪くも一般人に刺激を与えたことは間違いないでしょう。
まとめ
近年、注目を集めている仮想通貨(暗号資産)ですが、安易に取引すると大変なことになりかねません。正しい知識をしっかりと身に付けてから、安全な取引をしましょう。
資産運用の新しい扉が開けるかもしれません。