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【不動産担保ローン】不動産を売らずに現金が手に入るって本当?

「手元に現金はないが不動産財産はある」というとき、どのような手段があるでしょうか。

このようなケースで現金が手元に必要になったとき、多くの人が「不動産を売却しなければならない」と思うかもしれません。

しかし、財産を売却することなく現金化する方法があります。

それが「不動産担保ローン」です。

(以下、「担保付きローン」で統一します)

本記事ではメリット・デメリットや使えるケースについて解説します。

目次

担保付きローンとは?

所有している土地や建物に抵当権をつけて融資を受けることができるサービスです。

住宅家屋・宅地やマンションをはじめ、雑種地や駐車場用地、賃貸アパート、商業ビルなどの財産を所有している人なら幅広く使えます。

活用するための条件

利用するためには、対象となる物件に一定の担保価値がなければなりません。

担保価値とは、万が一返済が困難になってしまったとき物件を売却して弁済できる価値のことをいいます。

その土地が売却できない場合(売却できても二束三文の価値にしかならない場合)や、先に抵当権が設定されていて優先弁済を受けられない場合は使えないことがあります。

また、融資を受ける本人(債務者)の返済能力の有無も審査されます。

担保付きローンのメリット

まずはサービスの利点について紹介します。

【メリット①】不動産を売らなくてもいい

まとまった資金が必要になったとき、財産を売って現金化するという方法があります。

しかし一度売ってしまうと財産は手元を離れることになりますし、譲渡所得税が発生することも考えなければなりません。

一番の利点は、財産を手元に残したまま現金化できるという点にあります。

【メリット②】借入額が伸ばしやすい

銀行などで無担保の融資を借りるときは本人の収入から返済能力が審査されるため、融資額が伸ばしにくいというデメリットがあります。

物件の財産価値が評価されるため、本人の与信評価のみで融資を受けるよりも借入額が伸ばしやすいというのが特徴です。

【メリット③】無担保ローンより金利が安い

フリーローンのような無担保融資だと、金融機関にとっては返済が滞ったときのリスクヘッジがとれていないため金利が高くなりがちです。

しかし財産に抵当権を設定することで、無担保よりも低い金利で融資を受けることができます。

【メリット④】長期借入ができる

不動産に抵当権を設定することで「借入期間を長くすることができる」という利点があります。

ただし建物部分は築年数が経過するとともに価値が下がるため、耐用年数によっては長期借入が難しい場合もあります。

担保付きローンのデメリット

ここまでは良い面について解説しましたが、使うことを検討するためにはデメリットの部分も理解しておかなければなりません。

【デメリット①】諸経費がかかる

事務手数料や印紙代、さらに物件の資産価値を審査するための鑑定費用などが諸経費としてかかります。

また、物件に対して抵当権を設定するための抵当権設定費用や、完済時に抵当権を消すための抹消費用なども発生します。

利息以外にも費用がかかるということを念頭におかなければなりません。

【デメリット②】審査に時間がかかる

無担保融資に比べて、担保付きローンの審査には時間がかかります。

対象となる物件の価値を査定するための手続きに時間を要するので、早くても1週間から、遅いケースでは3週間近くかかる場合もあります。

【デメリット③】抵当権が実行されるリスクがある

万が一返済が困難になってしまった場合、金融機関が抵当権を実行することで対象物件が競売にかけられ、落札額が残債務の弁済に充てられることとなります。

競売は相場よりも安い金額で落札されることが多いため、最初から任意売却していた方が手元に残る金額が多かった、というケースも考えられます。

【デメリット④】完済するまで物件を売ることができない

不動産を売るためには、登記簿に記載されている第三者の権利をすべて抹消しなければなりません。

担保付きローンを使うと登記簿に金融機関名義の抵当権が設定され、完済まで抹消されることはありません。

したがって完済まで売ることができないということを念頭においておかなければなりません。

担保付きローンに似ているサービス「リバースモーゲージ」とは

財産を売らずに現金化できる手段として「リバースモーゲージ」というものもあります。

物件を担保にして融資を受けるという点においては共通していますが、リバースモーゲージの特徴は「融資利用中は金利だけを支払う」という点にあります。

金利だけの弁済なので月々の返済額は安く抑えられますが、元本を返済しない限り延々と支払いが続きます。

また、リバースモーゲージは使っている人が死亡したときに物件を売って残債務を清算するという特徴があります。

主に現金が不足している高齢者などが老後資金を得る手段として使われています。

担保付きローンはこんなケースにおすすめ

担保付きローンは下記のようなケースにおいておすすめです。

個人事業主などの資金繰り

事業の資金繰りで至急現金が必要になるということがあると思います。

一時的に資金を確保したいときは有効な手段です。

納税資金の確保

たとえば親の財産を相続したとき、不動産はあるけど現金が全く残っていないというケースがあると思います。

不動産を売ることで納税資金を確保することができますが、引き続き居住しなければならないなど売ることができない事情があるときはサービスを活用できます。

<h3>複数借入の一本化</h3>

複数社から借入れしているケースでは、それらを一本化して担保付きローンにまとめることで金利を安くすることができますし、返済計画が立てやすくなるというメリットが生じます。

老後資金の確保

老後の生活資金が不足しているというケースにおいて、居住している住宅を担保にして融資を受けるということも考えられます。

おすすめできないケース

反対に、次のようなシーンでは利用することをあまりおすすめできません。

下記の項目に該当する場合は、慎重に決めるようにしましょう。

希望額が少額のとき

さきほどの項目でお話したように、サービスを使うためには初期費用がかかります。

少ない借入額だと借入額に対する諸経費の割合が大きくなりますので、せっかく金利が安くても総合的に見ると損しているということになります。

将来的に売ることも考えている

物件に抵当権が設定された場合、完済するまでは対象物件を売ることができません。

今後物件を処分する考えが今の時点で少しでもあるなら活用は慎重になった方がいいかもしれません。

返済に少しでも不安がある

利用期間中の返済に少しでも不安がある場合についても利用をおすすめできません。

万が一支払いが滞ってしまうと、物件が差し押さえられて競売にかけられるおそれがあります。

完済までの支払い計画が問題なくできる余力があるというときのみ活用を検討するようにしましょう。

既に他の金融機関の担保がついている

現時点で他の金融機関から融資を受けており、抵当権が設定されている場合は、新規で抵当権をつけることができない場合があります。

まとめ

手持ちの財産を売らずに現金化することができる「担保付きローン」

他の融資商品に比べて金利が安く借入額が伸ばしやすいなどのメリットがある一方で、諸経費がかかる・担保実行のリスクがあることについても念頭においておく必要があります。

利用を検討するなら、長所と短所の両方を理解しておくようにしましょう。

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この記事を書いた人

新卒で野村證券に入社。15年ほど富裕層営業を担当する。在職中に、不動産投資で数億円の資産形成を行い退職。現在は株式、仮想通貨、エンジェル投資、不動産運用で生活。保有資格:宅建士、証券アナリスト。

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