仮想通貨取引には税金がかかるということは、薄々気づいている方も多いかと思いますが、仮想通貨投資の初心者にとっては、具体的な税金計算や確定申告の方法は複雑でわかりにくいですよね。この記事では、仮想通貨取引に必要な税金の基礎知識や計算ツールを紹介します。
仮想通貨取引で発生する税金の種類
仮想通貨の取引に置いて発生する所得は、税制的には「雑所得」に分類されます。FXなどによる収益発生時の所得も雑所得ですが、こちらは「分離課税」と呼ばれるものであるのに対し、仮想通貨で得た所得は「総合課税」となります。
総合課税とは
総合課税とは、給与所得など、他の所得と合わせた課税所得に、所得税率をかけて所得税額を計算する課税方式で、確定申告が必要になります。税率は課税所得が多いほど高くなる方式(累進課税方式)が採用されており、合計した所得が多ければそれだけ税額も多くなります。
仮想通貨取引での所得発生のタイミングと所得の計算方法
仮想通貨で仮想通貨に関係する「所得」が発生するタイミングは、「売却時」「決済時」「使用時」の3つの時です。共通する注意点としては、「いずれも取引所からの出金のタイミングではなく取引が完了したタイミングである」という点です。
仮想通貨の売却時
保有している仮想通貨の評価額が値上がりして含み益が発生しても、所得には関係ありませんが、利確のタイミングにおいて所得が発生し、その時点での損益により所得を判断します。また、売却時の所得額は、下記の式によって算出されます。
「所得額 = 売却時の評価額 ー 取得時の評価額 × 売却数量」
仮想通貨の決済時
前述の通り、仮想通貨は様々な企業で利用できるようになっていますが、その利用時にも所得が発生する可能性があります。商品やサービスに対して取引を行なった時点では、いったん売却して法定通貨(例.日本円)に換金する都合上、所得時の評価額をその時点での評価額が上回っている時には所得が発生することになります。その場合の所得額は、下記の式によって算出されます。
「所得額 = 商品・サービスの価格 ー 取得時の評価額 × 売却数量」
仮想通貨を他の仮想通貨取引に使用した時
仮想通貨を別の仮想通貨に交換する取引においても、所得が発生する可能性があります。この場合、仮想通貨をいちど法定通貨に換金し、その法定通貨によって新たな仮想通貨を購入したとみなされるため、その時点で取得時の評価額を上回っていると所得が発生することになります。仮想通貨間での変換の際、法定通貨を介する感覚がないため、課税されないと勘違いするかもしれないので、注意が必要です。また、この場合の所得額の算出方法は下記の通りです。
「所得額 = 購入した仮想通貨の取得時の行化学 ー 売却した仮想通貨の取得時の評価額」
仮想通貨の課税方式
仮想通貨による所得を「雑所得」とした場合、これは「総合課税」になります。そのため、給与所得や事業所得など他の所得と合算され、所得が高くなれば税率が高くなります(累進課税)。
税額の計算方法
仮想通貨の所得額の計算にある「取得時の評価額(取得価額)」の計算方法には「移動平均法」と「総平均法」の2通りあります。ここでは、その2通りの計算方法について説明します。
購入の都度計算する「移動平均法」
移動平均法は、仮想通貨を購入する度に取得価額を加算する方法です。手間はかかりますが、実際の売買価格や利益に近い計算方法なので、納得感のある計算方法であるといえます。毎回加算しておけば、年度の途中でも取得金額の見積もりができるというのがメリットになります。
1年をまとめて計算する「総平均法」
総平均法は、年末にまとめて算出した平均所得を使用する方法で、取引事業者発行の「年間取引報告書」を国税庁のフォーマットに入力すれば計算できます。移動平均法と比べると、年に一回で作業が済むので手間は少ないですが、年の途中では所得金額が確認できないというデメリットがあります。
見落としがちな必要経費
仮想通貨の取得価額には、手数料やセミナー費用、セミナーへの交通費、書籍代、専用のPC代、通信費なども計上できる場合があります。これらを見落とさずに計上することで、節税になるので、必ずチェックして申請しておきましょう。詳細に関しては必ず税理士もしくは国税庁の相談センターにご確認ください。
仮想通貨は損益通算できる?
これまで、所得額について説明しましたが、仮想通貨取引において、発生した損失は損益通算額に計上できません。これは、仮想通貨による所得が「雑所得」であるためです。一般的に、雑所得は他の区分所得とは合算できないため、株取引で生じた損失のように、翌年以降に繰り越すこともできません。
オススメの計算ツール
仮想通貨取引で得た所得には、確定申告が必要だということは理解いただけたかと思いますが、では、実際にどのように計算したらいいのでしょうか?ここでは、税金や損益計算に使用するツールを紹介します。
CRYPTACT
クリプタクトは、対応する仮想通貨の種類が他の仮想通貨損益計算サービスと比較よりも多く、おすすめ度No.1の仮想通貨損益計算サービスです。また、50件までの取引は無料で損益の計算でき、取引数が少ない人は永久に無料で使えます。
Gtax
クリプタクトと比べてしまうと対応仮想通貨数等で見劣りするためおすすめ度は2位ですが、対応取引所数はほとんどの人にとって十分だと思います。また、100件までの取引は無料で損益計算できるので、取引数が少ない人は永久に無料で使えます。
まとめ
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。仮想通貨取引において発生する税金については、複雑でわかりにくい部分も多いかと思います。利益発生時や支払いなどで使用する場合には、確定申告は避けて通れない道なので、正しいルールややり方を理解して、公正な取引を心がけましょう。