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不動産を相続したらどんな手続きが必要?タイムスケジュールに沿って紹介!

不動産を相続したら、所定の期間内に手続きを行う必要があります。

段階的に複数の手続きをこなしていく必要があり、大変な思いをされている方も多いようです。

今回は相続が発生したときに必要となる手続きについて、タイムスケジュールとあわせて紹介します。

相続にお悩みの方は参考にしてください。

目次

死亡届の提出

相続が発生したら、被相続人が死亡した旨を届け出る必要があります。

親族のほか、同居人、家主、地主、建物管理人、後見人などが死亡届を提出することができます。

死亡の事実を知ったときから7日以内に、被相続人の所在地の区市町村役場などで、死亡診断書とあわせて所定の届出書類を提出することで手続きは完了です。

遺言書の検認

相続発生後、最初に行わなければならないのは遺言書の有無の確認です。

遺言書は被相続人が所有していた不動産などの財産の処分方法について指定された重要な書面です。

遺言書がある場合、家庭裁判所において必要な手続きを踏んだうえで、当事者立ち合いものと適法に開封しなければなりません。

遺言書の開封に必要な手続きを「検認」といいます。

勝手に開封してしまうと法律違反となり過料が課せられるおそれがありますので注意が必要です。

なお、遺言書にはいくつか種類があり、作成方法や検認の必要性が異なります。

一般の自筆証書遺言

自筆証書遺言とは、全文を相続人が自筆で書いた遺言書のことをいいます。

遺言書が有効となるためには「全文自筆である事」「日付が書いてあること」「署名・押印があること」などの細かい要件が定められており、項目が満たされていない自筆証書遺言は無効となります。

自筆証書遺言がのこされていた場合、家庭裁判所での検認後に開封が必要です。

<h3>法務局保管の自筆証書遺言</h3>

自筆証書遺言は、法務局に保管することができます。

法務局に保管されていた場合、当事者は法務局に対して交付請求をすることができ、受理されたら「遺言書情報証明」という書類が発行されます。

証明書には遺言の内容が書かれており、検認は不要です。

公正証書遺言

公正証書遺言は、公証人立ち合いのもと作成された遺言書のことをいいます。

遺言書は相続が発生するまで公証人役場という機関で保管され、相続発生後は当事者からの請求で謄本が閲覧できます。

公正証書遺言についても検認は不要です。

相続放棄または限定承認の申述(3ヶ月以内)

推定相続人が相続放棄もしくは限定承認を行う場合は、相続を知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判所にその旨を申述しなければなりません。

申述の期限が到来した場合は原則として放棄・限定承認ができなくなってしまいますので注意が必要です。

なお、相続を承認する場合は申述の手続きは不要です。

■相続放棄

被相続人の財産や権利・義務など一切の相続権を放棄すること

■限定承認

相続財産のうち、プラス資産の限度で債務(借金等)の相続を一部承認すること

所得税の準確定申告(4カ月以内)

「準確定申告」とは、被相続人が生前行うはずだった所得税の確定申告を相続人が代わりに行う手続きのことをいいます。

被相続人が個人事業を営んでいた場合や給与以外で収入があった場合で準確定申告が必要となり、相続を知ったときから4ヶ月以内に手続きをしなければなりません。

なお、被相続人が給与所得者であった場合や、確定申告を必要としない収入額だった場合は準確定申告もする必要はありません。

準確定申告の必要性の有無について疑義がある場合は税理士に相談するようにしましょう。

遺産分割協議

遺産分割協議とは、「誰がどの財産を承継するか」ということを相続人同士で協議し、確定させる手続きのことをいいます。

協議した内容は、最終的に「分割協議書」という書類を作成し、全員の署名・捺印をすることで内容が確定します。

遺産分割協議は相続税額が決定する確定申告時までに成立させる必要があります。

協議成立

相続人同士で無事に遺産分割協議が成立したら、その内容に沿って財産が承継されることとなります。

不動産財産の承継にあっては、遺産分割協議書を根拠書類として所有権移転登記などの手続きが行えるようになります。

協議不成立

万が一相続人同士で遺産分割協議が成立しない場合、調停などの法的制度を用いる方法があります。

当事者間では意見が衝突して話がまとまらない場合でも、弁護士など第三専門家を介することで協議がスムーズに進められることがあります。

相続税の申告・納付(10ヶ月以内)

相続財産の分割の内容が決まったら、相続税の申告を行う必要があります。

確定申告は相続を知ったときから10ヶ月以内に行わなければなりません。

確定申告と併せて、相続税の納付も必要になります。

支払いが10ヶ月を超えてしまうと延滞税が発生してしまいますので注意しましょう。

相続税の基礎控除

相続税には「基礎控除」の規定があり、資産が一定の額を超えない場合は非課税となります。

基礎控除額は「3,000万円+(600万円×相続人数)」から算出されます。

たとえば相続人が3人いる場合は、「3,000万円+(600万円×3人)」で4,800万円が基礎控除枠となり、この額を超えなければ相続税の対象となりません。

相続後の手続きは大変

相続発生後に相続人が行わなければならない手続きのタイムスケジュールです。

期限必要な手続き
7日以内死亡届の提出
速やかに遺言書の有無の確認、検認、開封
3ヶ月以内相続放棄、限定承認の申述
4ヶ月以内被相続人の所得税の準確定申告
申告時まで遺産分割協議
10ヶ月以内相続税の申告、納税
10ヶ月以内延納や物納を申請する場合
成立後不動産の移転登記など

相続人がやらなければならない手続きは多く、大変な思いをされている方は少なくないと思います。

これらの手続きと同時並行で告別式や法要などの法事の手配もありますので、気持ちの面でも不安が付き物だと思います。

また、とくに相続の当事者が多い場合は、全員で協議の足並みが揃っていないと時間がかかってしまい、相続税納付の期限に間に合わないということになってしまいがちです。

相続人が協力し合い一つ一つの手続きをスムーズにこなせるようにしたいものです。

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この記事を書いた人

新卒で野村證券に入社。15年ほど富裕層営業を担当する。在職中に、不動産投資で数億円の資産形成を行い退職。現在は株式、仮想通貨、エンジェル投資、不動産運用で生活。保有資格:宅建士、証券アナリスト。

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